飲食店は通うほどに居心地を増していく。そんな思いのもと住宅街に溶け込むこのワインバーは、こだわりのドイツワインと丁寧な手料理を提供する。
ワインはクラシカルなものに限らず、トレンドを取り入れたものまで、ソムリエ資格を持つ店主の今の関心が反映されたラインナップ。ワイン以外にも、ソーダ割の合うフルーツ由来のスピリッツなど間口が広い。料理のオーダーが入ると、古道具の鍋やフライパンが、店内を魅惑的な音と香りで包み込む時間。手間ひまかけられた事がわかる繊細でいて酒に合う料理の数々は、これを楽しみに夕食時から訪れたくなるほどだ。
打ちっぱなしのコンクリートに取り付けた本棚、温かみあるグラス用の吊り戸棚など、眺めるほどに愛着の湧いてくる内観もまた、日々の憩いに訪れたくなる理由。そしてもう一つ店主の大事にするコンセプトが、想像していた感覚を超えて、喜んで欲しいというもの。これを読んだ貴方のイメージをどう飛び越えてくるか、それは訪れてのお楽しみ。