東京インターナショナルバーショー2025 レポート
- 中島 祐哉
- 6月8日
- 読了時間: 4分

毎年バーファンを虜にするバーの祭典が、今年も5/10-11の二日間、東京ドームホールにて開催された。
例年にも増して、豪華なゲストバーテンダーたちによる独創性あるカクテルが披露された今年のバーショー。特に印象的であったブースの模様を見ていこう。
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毎年コンセプチュアルなブースを展開するサントリー。入場者以外へ詳細を明かさなかった昨年とは打って変わって、今年はオープンスタイルのバーブースとなった。


中でも大注目であったのはThe SG Clubの後閑信吾氏によるスペシャルカクテル。静岡産のフレッシュメロンを用いた「グリーンラクーン」は果実の風味をジャパニーズウォッカHAKUがより伸びやかに、スタンディングでサッと飲んでしまうのが惜しいほどの逸品。


同じく大箱ブースであるニッカウヰスキーは「余市」や「宮城峡」などのプレミアムウイスキーを贅沢にもカクテルに用いて提供。筆者がいただいた「BIG IN JAPAN」はニッカフロムザバレルがベース。焙煎大麦から抽出した特製の大麦ウォーターで割った、シンプルでいて手間ひまかけたカクテル。Bar TRENCHのロジェリオ氏が振る舞ってくれた。


カウンターの脇ではオリジナルグッズの物販エリアを展開。会場においてお酒以外の楽しみ方も充実している点は嬉しいポイント。ウイスキーファンならずとも手に取りたくなる品々だ。

獺祭はバー業界に新たな和酒の風を送り込むように、乾杯のシーンから楽しみやすいスパークリングなど注目商品の試飲を展開。

さらに今年はブルガリホテルのメインバーテンダーAndrea氏謹製のカクテルも用意。獺祭のフラッグシップである純米大吟醸磨き2割3分に、パイナップル、ベルジュ(ぶどう果汁)を加えたトロピカルなテイストのカクテルで、ハッキリとした酸味と獺祭の繊細さを調和させ飲み心地を追求した一杯。個人的にも日本酒カクテルの新たな可能性を強く感じた作品であった。


イベントのムードも相まって、バーを訪れたとき以上にバーテンダーとの距離が近く、話すきっかけを持ちやすい点もバーショーの魅力だ。
美麗なボトルデザインがトレードマークのサイレントプール・ジン。ブースを飾るのは勿論、アンバサダーを務める小川杏香氏。ラベンダーやカモミールといった特徴的なボタニカルを感じ取りやすい、定番のジントニックスタイルでいただいた。


スコッチウイスキーのシングルトン12年で特製カクテルを振る舞うのは、2024年のワールドクラス日本大会で優勝した経歴をもつ石岡雅人氏。「Escape from the City」と名付けられたカクテルは、バナナの葉やココナッツを用いたウイスキーカクテルと気付かぬほどに色鮮やかな一杯。








続けてバーボン好きの筆者にとって大本命、フォアローゼズはブラインドでの飲み比べ体験を実施。

スタンダード品と熟成年数の長い「フォアローゼズブラック」とで、先入観なくどちらが好みか試してほしいとのこの企画。来場者の反応ではほぼ同率人気となっており、スタンダード品のレベルの高さを物語る。その後筆者は昨年に続き大好きな「プラチナ」をいただいて、改めてその圧倒的なまろやかさに感銘を受けた。

ニューヨーク生まれのアップルジンNEVERSINKは日本未輸入の「New York Dry Gin」を発表。ネバーシンクらしいクリアな口当たりの良さはそのままに、こちらは林檎の華やかな香りやボタニカルの輪郭がより際立ち、水割りやソーダ割など甘みを足さずに楽しみたくなる期待の新作だ。

ホールを埋め尽くすほどの出店ブースの数、そしてそのどれもが試飲せずにはいられない魅力の多さに、1日では回りきれないとの声も多数。
普段なかなか飲むきっかけのなかったお酒であっても気軽に試すことができるのは、各メーカーとバーテンダーたちのタッグが光るこのバーショーならではの魅力と言えるだろう。
次回のバーショーではどんな出会いが待っているか、貴方もぜひ会場にて体験してほしい。
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